乱斗の隠れ家

てけとーにあれこれ自分語り

二次創作(小説)に手を出しました

 『テイルズ オブ ヴェスペリア』(以下、TOV)というゲームがあります。
(発売からもう11年以上経つんですね。時が経つのは早いもんだ)

"テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト"
https://tov10th.tales-ch.jp/remaster/

 今回、こちらのゲームに登場するキャラクター「カロル・カペル」と「ナン」の、本編では(ほぼ徹底して)描かれなかった過去に、考察という名の妄想を武器として切り込み、お話にまとめてみました。

"【TOV】春の続き【カロル/ナン】 第1話 ~捜索~"
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12566149

 TOVの二次創作・中編小説『春の続き』です。全15話を1日1話、無料で連載していきます。全年齢向けですので、どうぞ安心してご笑覧下さい。
(本編のネタバレ要素を多分に含むため、未プレイの方にはおすすめできません)

 


 

 僕は俗にいうショタコンというやつでして、これまで色々なゲームや漫画の男児キャラに悶え転がるという人生を送ってきたわけですが、その中でも五指に入るほど僕のツボに刺さったのがカロル・カペル(通称、カロル先生)というキャラクターでした。
 とはいえ、僕がTOVをプレイしたのは発売から結構経った後のこと。ファンコミュニティもあまり見受けられず、一人で悶々と――いかにも往時の「オタク」らしく?――カロル先生に対する愛着を拗らせておりました。溢れ出す思いをブログにしたためたりはしたものの、それも今や電子の藻屑……。前のブログを消したことに後悔しているとすれば、当該エントリをサルベージできなかったことぐらいのもんです。
 そこに一昨年?『~ REMASTER』開発の報道を見ましてですね。これは天啓ではなかろうか、と。今こそこの妄想を形にする時ではないのか、と。そういう思いで、書いては消し書いては消し、とやってきたわけです。今回、どうにか一つのまとまりを見たので、随分と遅くはなってしまいましたが、こうして公開することを決めました。
(本来はREMASTER版の発売時期に合わせて公開するつもりだったんですが、ナマケモノの僕には到底間に合わせることができませんでした。)

 

 経緯の概説としてはこんなもんです。
 ……TOV本編に対する感想は、向こうのあとがきにも少し書いたので、ここからは文章書きとしての苦労自慢めいた裏話をしていこうと思います。

 


 

 「カロル・カペルというキャラクターは一体、どのようにして生きてきたのか」というところについて、TOV本編ではほとんど語られません。印象的なフレーズこそあるものの、それだけではどうしても「彼のこれまでの生活」を想像させるには至らないのです。おそらくは意図的な、徹底的と言っても差し支えないほど秘匿された彼の過去に、僕は強い興味を抱いたままエンディングを迎えることとなりました。
 日々、その謎を解き明かすべく妄想を重ねる僕にとって、一番大きな取っ掛かりとなったのがナンでした。カロル先生といえばナン。ナンといえばカロル先生。というぐらい切って離せない二人の関係から、何か見えてくるものはないだろうか――。藁にも縋る思いで、時系列順にカロルとナンの行動を並べてみた結果、両者のすれ違いの構図が見えてきました。
 ……とはいえ、それでもカロル先生についてはわからない部分の方が多い。良く言えば、想像の余地を多く残している、ということになるんでしょうが、僕はそれでは満足できなかった。あくまで僕は「カロル・カペル」という人物について知りたいのであって、彼の過去に自分の何かを投影したいわけではない。
 そこで今回、僕はこのお話を書くにあたって、再び「ナン」という人物そのものに注目することを決めました。
 ある意味においてナンは、カロルよりも詳しく過去について描かれているキャラクターです。カロルの過去を客観的に知るであろうナンは登場の機会が少ないですが、ナンの過去を知るカロルは(ほぼ)ずっとパーティーに加入しており、折に触れて彼女のことを口にします。彼の言葉と、彼女が登場するイベントシーンの描写を積み重ねる形でナンを知っていけば、巡り巡って「ナンから見たカロル」が見えてくるのではないか――。回り道ではあったものの、結果としてはこれが一番の近道だったように思います。(急がば回れ、っておっさんも言ってたしね)
 既に存在する世界に対しての徹底した考察と、そこに基づく妄想というのは、なかなか面白いものがあり、得るものも多かったです。「カロルから見たナン」と「ナンから見たカロル」を通じて、TOVの世界をより深く知ることができたように思っています。

 

 そんなこんなで生まれたのが、この『春の続き』です。

"【TOV】春の続き【カロル/ナン】 第1話 ~捜索~"
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12566149

 今回採用した「一人と一人」という構図は、僕の文章書きとしての原点の一つであり、また新たな境地でもあります。
 あくまで一プレイヤーの妄想でしかありませんが、楽しんで頂ければ幸いです。

 


 

  • あとがき

 

 普段からよく書いていることの別側面ではあるんですが、「書く」という行為は不思議な力を持っているものですね。人の内面について深く描こうとすればするほど、その人物を自分の中に憑依させる(さながらイタコのような)試みを避けては通れない。文章を書くことによって自分自身も書き換えられていくような気がする、と感じていたのはつまり、そういうことなのでしょう。
 そういった機序を恐れつつも、変化していく自分自身を楽しみにするような、複雑な思いで今、僕は文章と向き合っています。

 

 以前『群青ロック』を書いた後、その過程で乾涸びるまで絞り尽くされた脳を持て余し、何も生み出せなくなった自分自身に、これまで僕は苦しめられ続けてきました。
 当初は息抜きのつもりだったとはいえ、意想外に本腰を入れて取り組んだ今回のお話を、こうして完成させられたことで今、自分自身を縛る何かから一つ、解き放たれた部分があるように思っています。
 未だリハビリは道半ばなれど、この先にも道は続いていくのだから、のんびりやっていくしかないんでしょう。……というわけで、これからもぼちぼちやっていくことにします。